三条大橋 所在地   京都府京都市東山区
最寄駅   JR東海道線京都駅よりバス「三条京阪」下車

東海道、終点




平成11年(1999)11月7日(日)
2日目 早くに目が覚める。今朝も快晴。ホテルの窓からJRの電車が行き交うのが眩しく見える。
さあ、今日こそ東海道五十三次挑戦の最終日、大願成就の日。胸がわくわくする。
今朝のニュースは日本サッカー五輪出場決定、イトマン事件の許永中逮捕。
JR東海道線で大津から石山へ後戻りをして、8時丁度に石山駅前をスタートする。




蝉丸神社
蝉丸神社
大津本陣跡を過ぎ、いよいよ京へと向かう。道は上り坂、間も無くJR東海道線を越える。右手京津線踏切の向こうに鳥居が見える。ここが下社、この先にあと2つ有る。

蝉丸は宇多天皇の第4子、盲目の琵琶の名手。逢坂山に庵をあんで住んだと言う。歌人として、音曲の神様として祀られている。百人一首で有名な
歌の碑がある。
     
これやこのゆくもかえるもわかれては
            志るもしらぬも逢坂の関
交通の要衝
交通の要衝
右手安養寺の入口に
逢坂の碑と解説板、逢坂の地名の由来が書かれている。
左から国道1号線が合流。交通量の多い国道の上り坂をひたすら歩く。

右が国道、真中の歩道が旧東海道、左が京津線、上が名神高速。
昔も今も交通の要衝としての重要さは変わらない。
関蝉丸神社上社の赤い鳥居を右に、逢坂常夜灯を右に見て進む。
逢坂山関跡
逢坂山関跡
前方が明るく開けると逢坂山峠の頂上、上には東海自然歩道の逢坂山歩道橋が架かっている。程無く右に関跡の碑

伊勢の鈴鹿、美濃の不破と共に天下の三関と言われた。横に
逢坂常夜灯が立つ。ここで旧道は国道と別れ右へ。うなぎ専門の料亭『かねよ』、元祖走井餅本家の碑。3度目の蝉丸神社を右に見て国道と合流する。
走井の月心寺
走井の月心寺
国道と合流し峠を下り始めた左手に月心寺。廣重の『大津・走井茶店』に描かれている走井餅を売る名物茶店が有った所。

後に日本画家・橋本関雪の別邸となり、現在は月心寺の玄関口になっている。丸い井戸には今も名水が湧き、境内には百歳堂に小野小町の百歳の像や芭蕉の句碑がある。
     
大津絵の筆のはじめは何仏     芭蕉
追分の道標
追分の道標
名神高速をくぐり追分町で旧道に入る。国道は右に、左が旧道。
やがて伏見街道の分岐点、山科の追分。角に標識、但し今のはレプリカとか。

右の道を直進すると山科を経て京都へ。左は伏見、淀、守口を経て大阪・高麗橋へ。東海道五十七次となる。
国道を歩道橋で渡って、スーパーの角
小関越の道標常夜灯。正面に三井寺観音道、左に小関越とある。ここから京都市山科区に入る。
日ノ岡峠の道
日ノ岡峠の道
四ノ宮川を渡り、右に
六角堂の徳林庵、山科駅への道を横切り、渋谷越え道標を左に見て国道に合流。JRをくぐって右に天智天皇陵、国道から左に分かれ旧道へ。

京津線が山科から地下鉄と共用になり、地上の軌道が撤去され町の様子が変わった。そのため旧道の入口を見失いしばらくうろうろ。
今までと一変して細い道に、東海道最後の鄙びた道で日ノ岡峠を上る。
国道石垣の車石
国道石垣の車石
上り口の
亀の水で咽喉を潤し、坂を上りきり右に折れ、京津線の撤去された軌道跡を越えると国道に出る。国道の右手の石垣に車石が嵌め込まれている。

車石は逢坂山や日ノ岡などの坂道を越す牛馬の通行を容易にするために、荷車の幅に合うような2条の溝を刻んだ石で路面を敷いたもの。
蹴上から京の街を望む
蹴上から京の街を望む
九条山を下ったら前方の視界が急に開け、京の街が見えた。秋の日差しの中で街がキラキラと輝いている。

蹴上げまで来た。これからは三条大橋まで下り一方。今までの疲れは吹き飛び快調な足取りとなる。右手が
インクライン、正面歩道橋が架かるのが仁王門通り、疎水べりの道。左にカーブして行くのが三条通り。電車が無くなり景色が広く変わった。
三条大橋
三条大橋
粟田神社を左に過ごし、右に平安神宮を見て、白川橋を渡る。古川町通を横切り、東山三条から要法寺の前を通り旅館街を過ぎ、超勝寺への道を過ぎると檀王さん。

そして京阪三条。大阪行きも、浜大津行きも京阪電車は全て地下に潜って、殺風景な交差点になってしまった。

これを渡った所が・・・、ついに来た。東海道上がりの三条大橋。

高山彦九郎の像がお辞儀をして出迎えてくれている。
弥次喜多像
弥次喜多像
バンザーイ! と大きな声で何度も何度も叫びたくなった。
初めてここへ来たような新鮮な目で、そして大きな感動をもって橋を眺めた。

この橋が西詰まで渡り切った事を確かに見届けてくれた。午後1時45分東海道五十三次を完歩。
ありがとう。
何とも言えない達成感、満足感を味わい、幸福である事を感じた。




ヤッター! 感激を身体一杯に表現し、何度も何度も深呼吸をして旅を終わる。
さて、河原町三条へ向かおうとすると、急に物足らなくなり、忘れ物をしたような気持ちに襲われた。
そこで、三条小橋畔の小川コーヒーで小休止。しばらく余韻を楽しみながら現実への復帰を図る。

今日の歩数 36,028歩




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