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美濃路七次独歩記


みのじななつぎひとりあるき



美濃路ウォーク その3

7月16日(金)
  <その2>



起から墨俣へ

「濃尾大橋」
渡船場跡から戻って、濃尾大橋の取り付け道路に上がる。いよいよ木曽三川の一つ木曽川を渡る。この橋は片側1車線の狭いトラスブリッジだが、幸いトラスの外に歩道が取り付けられているので安心して渡ることが出来る。

「濃尾大橋を渡る」
橋を渡りだした。車は切れ目無しに行き交っているが、歩道を歩く人は皆無である。長い長い橋で、橋の向こうの先が見えない。橋の長さが何メートルあるのか、歩いてどれだけの時間が掛かったのかは分からない。ただ黙々と歩く。

濃尾大橋を渡る


「濃尾大橋からの眺め」
橋からの眺めは雄大で、日中のかんかん照りの中ではあるが、川風に吹かれながら歩くのはむしろ快適である。

「木曽川本堤の解説」
どれだけか掛かって橋を渡りきった。右に曲がって堤防上の道を上流へと向かう。堤防上に『木曽川正木の本堤』と言う解説板が立っていた。この辺りで川がくの字に曲がり度々水害に見舞われていたのを、川を真っ直ぐにし本堤を築いてこれを防いだ。その工事は大正10年から始まり何度かの工事を行い昭和13年に完工したとある。

「起渡船場石灯台」
堤防道路を少し行くと左手に石柱と常夜灯と解説板がある。石柱には『岐阜県指定史跡起渡船場石灯台』とあり常夜灯・石灯台には『おこし川渡場』と彫られている。この石灯台は明和7年(1770年)に建てられたもので、伝承によれば竹鼻町伊勢屋の祖先の力士が、ある夜起町から木曽川を渡り新井の堤防へあがろうとしたが、道も方角もわからず大変困ってしまった。そこで堤防の上に石灯台を、そしてその油代として田2反(1,990u)をも合わせて寄付したと言う。

起渡船場石灯台


「堤防からの眺め」
堤防上の道を行く。ガードレールが無いので車が来ると危険を感じる。右手の河川敷の繁みからカッコウの鳴く声が聞こえた。まさか、こんな所で。この声を聞くのは久し振りである。やがて河川敷は広いグランドになる。その対岸遥か先に木曽三川公園のアーチ型の建物が光って見える。

堤防からの眺め


「金刀比羅神社」
暫らく行って堤防から斜め左に下り、左に折れて繁みの中へ入る。左上に金刀比羅神社。川の両岸に金毘羅さんを祀って渡舟の安全を祈ったもの。

金刀比羅神社


「蓮田」
右手には蓮田があって、今丁度蓮の花が咲いている。淡いピンクの綺麗な花である。

「伊勢道の道標」
小さな岩田橋を渡って丁字路で右折する。その左角の家の門前に伊勢道の道標がある。『右いせ道・左おこし舟渡』とあり寛延3年(1750)の建立。

伊勢道の道標


「竹鼻街道の道標」
しばらく田園と住宅の混じった所を行く。右手に地蔵堂がありその裏に道標が立っている。右と左の字は読めるのだがその他の字は読めそうで読めない。

「美濃路の解説」
やや広い道と斜めに交差、左にコンビニ、その先右に郵便局。更にその先右手に正木小学校があり、その前に『美濃路街道』の解説板が立っている。

「不破一色の一里塚跡」
小学校のフェンスの中に一里塚跡の石柱と解説板が立っている。石柱には『羽島市指定文化財史跡一里塚跡』

不破一色の一里塚跡


「一里塚の解説」
解説は通り一遍のもの、ここの地名が羽島市正木町不破一色。美濃路8番目の一里塚である。この先に貴船神社があるが街道はその後を通って行く。

「法啓寺」
右手に浄土真宗大谷派の養耆山法啓寺。

「金刀比羅大権現常夜灯」
左手民家の庭先に面白いお椀状の笠石を被った1対の常夜灯を前にして背の高い金毘羅大権現の常夜灯がある。その先にはショッピングセンターがある。
昼時は過ぎたのにここまでお昼に有りつけるようなお店が全く無かった。名鉄須賀駅にも近く、この辺りがチャンスとばかりお店を探すがそれらしいものは無い。仕方なくショッピングセンターでお弁当を買いその中の休憩ベンチでお昼とする。

金刀比羅大権現常夜灯


「間の宿跡」
午後の部のスタートは1時50分。名鉄竹鼻線の踏切を渡る。右手に須賀の駅。ここはホームだけの無人駅。これでは駅前にお店など無いはずだ。線路を渡り二筋目で道が変則の5差路となる。さてどちらを行けば良いのか迷ってしまった。道なりに直進する道よりも、左の細くてすぐに左にカーブする道が何となく街道らしい。これは今までの街道歩きで積んできた感の働き。天満神社の石柱が有り、ここで右に曲がり、その先左に門構えの家が見えてきた。これが間の宿だった所で、道のとり方は正解だった。

間の宿跡


「西方寺の道標」
街道の右手、足近小学校への道の角に道標がある。
          『親鸞聖人御舊跡』
          『寺田山渋谷院西方寺』
          『従是北六丁』

と刻まれている。


親鸞聖人御旧跡


「消えた美濃路」
間も無く県道岐阜羽島線に出た。これより先は農地改良され、整然と区画された稲田になる。稲が青々と育ち、風が吹いて来るとその風の通った所が白く波打ち、水辺を行くような爽やかな気分になる。美濃路はこの稲田の下に消えてしまった。

消えた美濃路


「阿遅加神社」
近くに阿遅加神社がある。その足近町坂井の集落で斜め北西に進む道があり、これが旧道、美濃路である。

「境川の堤防へ」
復活した道を行き境川の堤防に上がる。桜並木で盛んにニイニイゼミが鳴いている。ここでデジカメのバッテリーが切れた。予備に持ってきたものと交換する。只今午後2時30分。

境川の堤防へ


「親鸞聖人御舊跡碑」
堤防上に石の地蔵2体とこの碑がある。これは先に通った足近小学校近く、間の宿にあったものと同じもの。

「境川の堤防を行く」
境川の堤防上を行く。夏のかんかん照りの中の街道歩きではあるが、この美濃路は水辺を行くことが多いので思ったより凌ぎ易い。

「美濃路の石標」
堤防の右手に小さな『旧街道美濃路』の石標がある。未だ新しく、最近に立てられたもののようだ。この横に『美濃路街道』の解説板も立っている。

美濃路の石標


「西小熊の一里塚の銀杏」
堤防の左に大きな銀杏の木が見えてきた。これが西小熊の一里塚。

「一里塚跡の碑」
大銀杏の根元に天然石を板状に加工した板碑に『羽島市指定史跡一里塚跡』とあり、横に一里塚の解説が書かれている。ここのが9番目の一里塚。

一里塚跡の碑


「秋葉神社」
広い道を横断し再び先へと進むと道路の右手に小さな秋葉神社。祠は小さくても立派な石柱が立っている。

「境川橋」
間も無く小熊の渡しと言われたところに着く。今は境川と大江川の小さな橋を渡れば良いのだが、昔はここを舟で渡った。先ずは境川に架かる境橋を渡る。この橋は金属製の欄干のついた新しい橋である。

「大江川橋」
続いて大江川に架かる大江橋を渡る。この橋はコンクリートの欄干の古い橋。今の様子からは渡しで渡った当時の様子を想像することが出来ない。

大江川橋


「神明神社」
大江川橋を渡り右に緩くカーブをしながら長良川の堤防沿いの道路と合流する。その合流地点の左手、三角の尖ったところ、道路より少し低くなったところに神明神社の石の鳥居がある。

「長良川堤防沿いの民家」
長良川の堤防沿いの道路を上流へ向かって進む。左手は堤防が高く聳え、右手には住宅が点在する。

「大川渡船場跡からの眺め」
県道31号岐阜垂井線の長良大橋取り付け道路をくぐり、渡船場跡と思われるところまで来たが、それを示すものは何も無い。堤防に上がって長良川を望むと河川敷の手前の方は芝生でサッカーのゴールポストがひっくり返っており、その先は木が繁り川の流れを見ることが出来ない。左の方を見ると長良大橋のトラスブリッジが見える。

大川渡船場跡からの眺め


「墨俣城を望む」
右を見ると大きな水門の横に墨俣城が見える。

「長良大橋」
堤防上を長良大橋まで戻る。この橋で長良川を渡ると墨俣である。この橋にも歩道が設けられているので、安心して渡ることが出来る。

「長良大橋を行く」
この橋の歩道はトラスの内側に設けられている。この橋でも歩いているのは自分だけ、他には誰も居ない。

長良大橋を行く


「長良大橋から墨俣城を望む」
川の向こう岸、橋の上流に墨俣の宿がある。更にその上流に墨俣城がある。その城を眺め、橋を渡ったところで今日の行程の終わりとする。只今午後3時15分、歩数計をリセットする。
堤防を上流の方へ行くと墨俣宿であるが、県道をそのまま直進し、岐阜バスの墨俣バス停まで行く。


長良大橋から墨俣城を望む





今回の美濃路ウォーク<その3>では起の宿が想像以上に見応えが有り、大いなる収穫であった。また、この炎天下での街道歩きが大丈夫かとちょっと心配であったが、絶えず水分を補給する事で乗り切ることが出来た。これは木曽川や境川、長良川などの川辺を行くことが多かったので、暑さが和らげられたのかも知れない。

墨俣から大垣駅前までのバスでは、学校帰りの女子高生大勢の中に、たった一人のおじさんが混ざってしまった。公共の乗り物だから仕方が無いのだが、超ミニのスカート、車内で化粧を始めたり、携帯でいろんな事を始めるなど、目に余ることや目のやり場に困る始末。でも『李下に冠を整さず』で大人しく我慢、我慢の二十数分だった。大垣からは16時10分のJR東海道線に乗車し帰路についた。

今朝のニュース、UFJ・三菱東京統合に住友信託が交渉差し止めの仮処分を東京地裁に申請する方針。拉致被害者曽我ひとみさん一家、ジェンキンスさんの病気治療のため18日に来日へ。1リーグ阻止意見集約、阪神4球団に呼びかけ。

     今日歩いた記録
     31,111歩(美濃路正味25,547歩)
     18.65q (美濃路正味15.32q)
     1,363kcal(美濃路正味1,122kcal)

    今までの累計
     96,188歩(美濃路正味82,006歩)
     58.03q (美濃路正味49.18q)
     4,205kcal(美濃路正味3,573kcal)



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